さく旅

あちこち行きたくてチョロい私の旅行記

イタリアでスリに遭わないためにやったこと

油断禁物なイタリア旅行

とにかくイタリアは軽犯罪が多い。かつて伯母はバスで財布をスられ祖父母のツアー同行者はカメラをひったくられた。

ネットで「イタリア 犯罪」と検索すると体験談がわんさか出てくる。

ただでさえリスクヘッジマンな私、頭がショートするのでは?というくらい対策を練りました。そのおかげかわかりませんが、実際何事もなく、無事に帰国することが出来ました。

何かの参考になればと思い、私がとった対策を記しておきます。

実際の対策

①バッグを工夫する

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まずバッグのチョイス。「ショルダーだとすれ違いざまにつかまれて引きずられる」「ぼろぼろのトートバッグの方が狙われにくい」「もはやかばんは持たない方がいい」…などいろいろな説があふれていて混乱しましたが、私は、手をかけられたことを前提に

・スられそうになったら気づける

・手を出してもかんたんに盗めない

 ことを基準に、アウトドアのメッセンジャーバッグを選択。

開けようとすると大音量でマジックテープが響く。中にファスナーがある。そして厚手のナイロンで切り裂くのにそれなりの力がいることが決め手でした。見かけ以上に容量があるので荷物もたくさん入って便利です。

ただ、それだけしていても盗られる可能性はある。そこで、バッグの中には盗られてもダメージの少ないものしか入れませんでした。少額の現金・ガイドブック・コスメ・衛生用品などです。

最初はこれを上着の下に背負っていたのですが、セキュリティチェックでもたつきました。警戒が常態化してきたこともあり、初日を除いて一番上にかけるようになりました。

大前提ですが、どんなバッグであれ、体の前でしっかりつかんでおくことは大事。「私は盗られないように気をつけている」というポーズを示すだけでも、ぼーっとしているよりかは狙われにくいのではないかと思います。

②貴重品はパスポートケースへ

では、貴重品をどこに入れていたかというと、首からかけるパスポートケースの中

ポケットがいくつかある薄手のケース。

ここにパスポートだけでなく、大きい現金・クレジットカード・鍵などを入れ、服の内側で肩掛けにして、ズボンのお腹部分に差し込んでいました。

さすがにお腹に手を入れられれば気づく。そして肩掛けにすることで、首からストラップが見えづらくなるし、万が一ストラップを切られても簡単に引き抜けない。

少しストラップを長めにしておくことで出し入れもしやすく、支払いなどでもあまり不便せずに済みました。ただ、ワンピースを着ると下から出すことが出来ないので要注意。着たいワンピースもありましたが、そんな理由で泣く泣く断念。

③さらに上着の内ポケットを活用

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外に出しておくと不安だけれど、パスポートケースにしまうと不便なものは、上着の内ポケットへ。ファスナーがある方にポケットWi-Fiやホテルの鍵、反対側にネックストラップをした上でカメラを入れていました。

4月のイタリアは肌寒く、防寒にも役に立ちました。さらにはっ水加工なので、雨降りでも濡れずに済んだ。ノーカラーで首元がすっきりしていてシルエットも悪くない。

無印良品のものですが、本当にいい買い物をしました。毎日着ざるを得ないので写真が代わり映えしないことと、暑くてもなかなか脱げなかったことはちょっと残念ですが(笑)それでも安心には代えられない。

無印のサイトを見たらなくなっていたのでもう販売していないのかな…?

④パスポートの写真を撮っておく

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ここまで色々と対策しましたが、それでも何か起こってしまった場合、まず必要になるのがパスポートの内容

これがないと手続きにとても時間がかかるようなので、万が一に備えてスマホやカメラで撮っておくといいです。その上で、何かあったらまずは警察へ。

大使館サイトに注意書きもあったのでリンクしておきます。

スリ,置き引きによる盗難被害に遭った場合 - 在ミラノ日本国総領事館

パスポートを紛失した場合、戸籍謄本も必要になるので、さらに用心する場合は持っておいて損はないと思います。我々はここまではしませんでしたが、GW中だったことを考えると、もし失くしていたら手続きに相当時間を要していたかも…と思います。

何もなかった…のか!?

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実質的な被害がなかったとはいえ、全く何も起きなかったわけではありません。

犯罪の前兆であろう出来事はいくつかありました。

ミラノ中央駅のホームでアジア系の女性にニーハオと話しかけられる

旅行者を装ってなにか尋ねるふりをし、そのスキに物を盗るのでは?と予想。旅先でいきなり話しかけてくる人はもれなく怪しいと思うので、夫と話しこむふりをしながら無視、そそくさと違うドアの方に逃げました。

・地下鉄内で目くばせしあう男性を見かける

示し合わせて物を盗る気なのでは?と予想。結局何も起こらなかったし、ひょっとすると赤の他人かもしれない。けれど、警戒していて悪いことは絶対にないと思うので、カバンをがっちりガードしながらどこに目線をやるでもなくガン飛ばしてました(笑)

・ミラノのドゥオモ広場でミサンガ売りに話しかけられる

ミサンガを旅の記念だと言って勝手に腕に巻き、後から金銭を求めてくる手口の犯罪。

夫の背後からそっと近づいてきました。早朝で人が少なかったこと、警戒してきょろきょろしていたおかげですっと立ち去れましたが、油断していたら危なかったと思います。この後も同じ場所で話しかけられ未遂は何度かありましたが、仏頂面でずんずん歩いて事なきを得ました。

ミラノ中央駅前でセルフィースティックを売られそうになる

駅前で写真を撮っていたところ、セルフィースティックを売っている男性が近づいてきた。犯罪とは少し違うかもしれませんが、何かを押し売ろうとしてくる動きは強め。それに気を取られているスキに何か盗られる可能性もあるので、用心して損なしかと。

・ヴァチカンの地下道でツアー同行者がジプシーにカバンをつかまれる

ガイドさんより「ここは注意」と言われていた道、案の定女性のジプシーが両サイドで物乞い。列をなして歩いていた我々、無視して素通りし、ホッとエスカレーターに乗ったところ、追いかけてきた。結局、列の最後尾にいた同行者の方がバッグをつかまれました。我々はガイドさんのすぐ後ろを歩いていたので直接被害はなし。それでも突然背後がざわつき、身動きの取れないエスカレーターで人が押し寄せてくる感覚はとても怖かった。幸いカバンも無事だったようです。

気を抜かずに楽しい旅を!

ここまで私の講じた策を記しましたが、犯罪の手口は十人十色。「こうしたから絶対大丈夫」ということは、きっとないでしょう。それでも、情報を取捨選択し、最大限備えておくことで防げる犯罪は多いと思います。

そして、何にせよ一番大事なのはここは日本じゃないと自覚すること。今回のように移動も手続きもすべて自分たちでという場合に気を抜く人は少ないと思いますが、添乗員付きの団体旅行だと、周りが日本人ばかりで油断しがちです。実際、我々も一番危ない目に遭ったのは集団で行動している時でした。

日本には日本の日常があるように、イタリアにはイタリアの日常がある。それを肝に銘じて、周囲を見渡しながら、安全に楽しく旅ができたら最高だと思います。

これだけ気をつけていたからこそ、帰ってきた今思い出されるのは楽しい出来事ばかり。皆さんの旅路がそうなるよう祈りつつ、微力ながらここに記録しました。

 

★イタリア旅行記の目次はこちら

sakutabi.hatenablog.com