イタリア旅行記9 いざヴェネツィアへ
ミラノを出発
ミラノ最後の朝。今日は午前発のフレッチャロッサ(高速鉄道)に乗ってヴェネツィアへ向かいます。
この日の朝ごはん。昨日の夕飯が遅く、お腹の弱い夫は部屋で待機。私も控えめ。
身支度を整えて出発。そういえば正面からじっくり見たことがなかったミラノ中央駅、せっかくなので見納めることに。規模感と精巧な彫刻に、ミラノの栄華が見える。藤のようなお花が咲いてていい雰囲気。にしても去る日に限って好天だなんて悔しい。
いざヴェネツィアへ
改札を抜けて高速鉄道のホームへ。直前までどのプラットホームに停車するかわからないので、電光掲示板の近くを陣取ってしばし待機。
遅れることもままあると噂のイタリア鉄道事情。今回の旅では利用した列車すべて定刻通りの出発だった。おかげで時間も有効活用できてラッキーでした。
ホームにあったこのモザイクが気になった。
しばらくして列車が到着、ぞろぞろと乗り込む。
ここから2時間30分ほどの列車の旅。寝るとスリに遭うなどという怖い話も聞き、ダウンロードしておいた映画を見たりして過ごすけれど、まあ手持無沙汰。しばらくは目の保養だった牧歌的な風景も、見慣れると眠気に変わってくる。
そして到着!
睡魔に襲われつつもなんとか切り抜け、ようやくついたヴェネツィア・サンタルチア駅。ひとつ手前のヴェネツィア・メストレ駅は地方都市のビジホ街みたいな雰囲気だったので、どんな感じなのかと恐る恐るホームから出る…
と、この景色!!わー!ほんとにヴェネツィアだーーーー!!!!!
しかしご覧のとおり人がいっぱい。狭い都市なだけに人口密度が圧倒的。
ヴァポレットに乗る
というわけでまずはチェックインのためにホテルへ。ちょうどヴェネツィアの中心にあり、駅からは少し遠め。というわけでヴァポレット(水上バス)の24時間フリーパスを購入します。ヴェネツィアには車道がなく、移動はヴァポレットか徒歩が基本。
おそらく乗るであろう回数的に都度払いの方が得なのですが、窓口も販売機も混んでいるので、時間をお金で買った感じ。(しかし途中でフリーパスをどこかに落したので倍額支払う羽目に)バスや電車と同じく、複数路線出ているので事前にチェックしておいた方がいいと思います。チェックしていても迷ったけれど。
素敵なホテルにあがる
なんとか間違わずにお目当てのものに乗船し、サンタンジェロのターミナルに到着。
そこからさらにスーツケースをえっちらと転がす。入り組んだ細い路地、急に現れる水路、窓にかかる洗濯物。生活と美観の共存。視野の狭さが、秘密基地のような、私だけのわくわく感を昂ぶらせる。
歩くこと5分程度、着いたのはラ・フェニーチェ・エ・デザルティステス。噛みそう。オペラの名舞台・フェニーチェ劇場に併設されたホテル。その名(フェニーチェ=不死鳥)にふさわしく、たびたびの火災から復活を遂げているこの劇場。焼失したノートルダム大聖堂に対してエールを送ったことも記憶に新しい。
小ぢんまりしたたたずまいながら、中庭があったり、
石壁やアイアンの重厚でクラシカルな内装だったりと、私の心はくすぐられっぱなし。
そして極めつけは部屋のドア。クリムトの接吻。鬼気迫る大胆なしゃれっ気。いい。
室内もこれまた小ぢんまりと、えんじ色でまとまっていて質素ながら素敵。私があまりに写真を撮って騒ぐので、夫は相当気に入ってるんだなと思ったらしい。そのとおり。ミラノの悪天候を跳ね返すようにぐいぐい上がる私のテンション。
ついでに鍵もかっこいい。そして重い。
そんなわけで荷物を一旦置いて、いざヴェネツィアの街に繰り出します。鍵は、フロントの方が「重いから預かるよ」と申し出てくださり、お渡ししてからの外出となったのでした。続きます。
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