竜王スノボ旅行記2 ワイクララ、無事板に乗り滑ることに成功
さてゲレンデに来ました。
とりあえず傾斜の少ないところでボードの履き方から教わる。
バックルをはずし、足を入れてきつめに装着。
そして立……てない。
倒れるときはお尻から。
もう一回、立…てない。
「嘘だろ」と「やっぱりか」という二律背反な思いが去来する。これから訪れる結果は、「何か意外とできちゃうじゃん(毛先クルー)」、か「いやこれ一生無理だろ(灰色)」のどちらかだと悟った。今のところ一生無理の方が向かうところ敵なしレベルで濃厚である。
しかし後ろを振り返れば、体の一部かのようにボードを操る人がつぎつぎ通り過ぎていく。ひょいと体重を移動させ、難なく麓まで帰っていく。上手い下手あるとはいえ、同じ人間なんだ。立つくらいできるだろう。
そんな思いでもう一度トライ。
後ろ体重を意識して、ストッパーをかけつつ、バランスに気を付けつつ…全神経全筋肉集中モード。
オォォォォ!!!!立てた!!!立てたぞー!!!!
クーララーが立った!クーララ―が立った!!ハーイジーも立った!ハーイジーも立った!!脳内でポーツマスする猫ひろし。これで最初の壁は突破。えらい、えらいよ私。
そこまで見届けた友人の荒療治により、とりあえずリフト乗っちゃおうぜ、ということで早速上へ。
大音量で流れるbacknumberのクリスマスソング。冬だ。リクエストしたのはきっとリア充でパリピの大学生に違いない(偏見)。これから私はパリピの横で無様な姿をさらしまくるぞ。厚顔無恥とはこのことだ。数年後君たちもきっとこうなる。よく見ておくのだ(狂気)。そして到着。いざ参らん、パリピの巣窟。
おおかたの予想どおりここからはコケまくり人生の幕開け。
ちょっと滑っては転び、傾いては転び、方向が定まらず転ぶ。もはやパリピなど目に入らないくらいコケた。なんなら前にパリピがいたせいでコケたりもした。
コケ続けるうちにだんだん悔しくなってきて、少しでも上達したいという闘志が芽生えた。
私はシャーロック(錯乱)。何をどうすれば止まるのか、進むのか、方向が変わるのか。頭の中の方程式が、雪と「できなぁーい♡」というリア充のファッション断末魔の舞い散る北志賀高原に広がる(広がらない)。
トライ&エラーを繰り返し、解を積み重ねながら滑り続けること1時間。明らかに転ぶ回数が減ってきた。進む距離も長くなった。おお、楽しいぞ!わかってくると楽しい!
頭脳戦と肉体戦を絶え間なく繰り返し、心身疲れ切ったところで本日は終了。
慣れないことをしたせいで夜はぐでんぐでんに酔っ払い、気づいたら友人のベッドを占領して爆睡。
翌朝は体バッキバキの頭はボケボケ。朝食を済ませてもうひと眠りしたら、気づいた頃には14:00。
先に滑っていた友人にたたき起こされて、筋肉痛を引きずりながらゲレンデへ再び。
隣のコースの方がなだらかだということで、その日はそっちへ。
一日やったことは案外身についているもので、ズタボロだったはずの体も結構動き、出だしは好調。傾斜ゆるいし広いしですごく滑りやすくて、陽が落ちるころには一度も転ばずに木の葉らしきスタイルで麓まで滑りきれるようになった。
初日に着替えた時点では絶望感しか抱いてなかったから快挙である。
久々に「初めてのことができた!嬉しい!」みたいなわかりやすい達成感を得られて、思い描いていた何倍も満たされてしまった。単純だ、私ってば単純である。
あんなに寒いのに、ひと滑りすると汗をかいてしまうこと。そして麓で飲むアンバサがめちゃくちゃおいしいこと。しかし一気に体が冷えること。
ゲレンデにiPhoneを持って行くとフル充電でも帰るころには瀕死になっていること。写真など撮る余裕は初心者にはないこと。
動くとすぐにお腹が空いてしまうこと。雪山で食べるラーメンが格別なこと。
そんなことも学んだ。
私の日常では知り得なかったことをたくさんおみやげにして、初めてのスノボ体験は終了。あ、動いた後のひとっ風呂も最高でした。芯から温まるってこういうことなのか。
2日目の夜は嗜み酒。先に離脱して部屋へ帰り、たまたま放送されていた海月姫を少し見て就寝。この旅最後の夜の思い出は美しき菅田将暉。
翌日は出発まで観光へ。そのことを書きたくて記事にしはじめたのに…ここまでで言いたいことはつまり「スノボってば結構楽しいよ」ということでした。次に続きます。